膝の再生医療、費用の全体像と相場観
長引く膝の痛みに対し、手術以外の選択肢として注目される再生医療。しかし、その治療を検討する上で誰もが直面するのが「費用」という大きな壁です。膝の再生医療は、残念ながらそのほとんどが公的医療保険の適用外である「自由診療」となるため、費用は全額自己負担となり、決して安価ではありません。まず、膝の再生医療にはいくつかの種類があり、どの治療法を選ぶかによって費用は大きく異なります。比較的広く行われているのが、患者さん自身の血液から血小板を濃縮して注射する「PRP(多血小板血漿)療法」です。これは、細胞を培養する必要がないため、再生医療の中では費用が抑えられており、1回の注射で数万円から30万円程度が相場とされています。PRPをさらに濃縮・高濃度化させた「APS療法」になると、効果への期待が高まる分、費用も上がり、1回あたり30万円前後が目安です。そして、より本格的な再生を目指すのが、脂肪や滑膜といった組織から「幹細胞」を抽出し、培養して増殖させてから膝に注入する「幹細胞治療」です。この治療法は、細胞を培養するための専門的な施設や技術、厳格な品質管理が必要となるため、費用は格段に跳ね上がります。1回の治療で100万円を超えることも珍しくなく、場合によっては数百万円に及ぶケースもあります。これらの費用はあくまで目安であり、医療機関の方針や治療の具体的な内容、注射の回数などによって大きく変動します。まずは自分の膝の状態にどの治療法が適しているのかを専門医と相談し、その上で詳細な費用について説明を受けることが、後悔しない治療選びの第一歩となります。