2026年1月
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なぜ膝の再生医療は高額なのか?費用の内訳
膝の再生医療の費用がなぜこれほど高額になるのか、その背景にはいくつかの理由があります。最大の理由は、これらの治療の多くが保険の効かない「自由診療」であるという点です。自由診療では、医療機関が独自に価格を設定できるため、同じような治療法でもクリニックによって費用に大きな差が生まれます。では、その価格は何によって決まるのでしょうか。費用の内訳を紐解くと、まず「細胞の加工・培養コスト」が大きな割合を占めます。特に脂肪や滑膜から採取した幹細胞を治療に用いる場合、細胞を安全かつ効果的に増やすためには、「細胞培養加工施設(CPC)」と呼ばれる、国の定めた厳しい基準をクリアしたクリーンルームが必要不可欠です。この施設の維持管理費、細胞を培養するための高価な培養液や試薬、そして何よりも専門的な知識と技術を持つ培養士の人件費などが、治療費に反映されます。また、「品質管理コスト」も無視できません。治療に使う細胞が細菌に汚染されていないか、目的の細胞がきちんと含まれているか、異常な細胞が混じっていないかなど、移植前の細胞に対しては、安全性を担保するために様々な厳格な品質チェックが行われます。これらの検査にも専門的な機器と人手がかかります。さらに、医師の技術料や診察料、治療後のアフターケアの費用なども含まれます。比較的安価なPRP療法でさえ、血液を遠心分離機にかけるための専用キットや機器が必要です。このように、膝の再生医療の費用は、単なる注射の手間賃ではなく、最先端の医療技術を安全に提供するための研究開発費や設備投資、専門人材の確保といった、様々なコストが積み重なって成り立っているのです。